糖尿病なのに栄養が足りていない?

栄養について
【糖尿病なのに栄養不足に注意⁈】

みなさん、糖尿病食というと『制限食』のイメージが強くないですか?

糖尿病(特に2型糖尿病)は、食べ過ぎ(栄養過多)、偏った栄養の摂り過ぎ(偏食)、肥満、ストレスなどの環境因子が大きく関係します。そのため『制限食』が一番にイメージされるのだと思います。もちろん、栄養過多、偏食、肥満のある方には、食べる量が適正な量・適正な内容になるようにアドバイスをします。しかし、この『制限食』にも一つ落とし穴があります。それは、必要以上の制限により栄養不足に陥ってしまうことです。

適正な栄養量を摂らないことが長期化し、栄養不足になってしまった状態を『低栄養』と言います。実は糖尿病でも低栄養になる高齢者が少なくないのです。

 

糖尿病なのに低栄養??って思いますよね。

 

糖尿病はインスリンが分泌されなくなる、もしくは分泌されるけど効かなくなることによって細胞に糖が正常に取り込めなくなり、高血糖が慢性的に続いてしまう疾患です。

 

必ずしも栄養過多=高血糖ではないのです。

 

不適切に「栄養を制限すること」を高齢期になっても続けて行った結果高齢期特有の悪影響を起こす高齢者が少なくありません。そのため近年、「高齢者の糖尿病」については診療ガイドラインも別に設けられました。

 

高齢者の糖尿病は以下のような老年症候群を引き起こしやすいので要注意!

 ・認知症

 ・うつ

 ・日常生活動作の低下

 ・虚弱

 ・転倒、骨折

 ・筋肉量減少

 ・低栄養

この老年症候群と栄養の関係についてはまだまだ知られていないのが現状です。

高齢者糖尿病の食事療法については、専門医ではないと周知されていない可能性もあります。

 

栄養指導や栄養相談を行う中でこのような方も見受けられます。

・医者からは、食べる量を控えるようにしか言われたことがないからそれを守っている。

・食べることを制限することが一番だと思って長年続けてきた。

・血糖値が上がることが怖いから、食事を増やすことをしたくない。

 

何十年も前に受けた栄養指導を継続出来ていることは大変すばらしいことです。食生活の改善すらできない方も少なくない中「健康」を意識して生活を続けることはなかなか出来ることではありません。しかし、人の体は成長と共に変化します。それぞれのライフステージでギアチェンジしていくことが必要なのです。ただし、どの過程においても定型通りにはいかないのも事実です。定型通りの食事管理で上手くいかない場合は、それが間違った情報なのではなく、あなたに合っていないだけです。遠回りを続けるよりも、相談する近道も一つの手ですね。

近くに栄養指導・栄養相談を受ける場所がなければ、オンライン栄養相談を受けるのもおすすめします。

 

 

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