体重減少があると要介護状態の発生率が高い⁈
体重減少がある高齢者は、体重減少のない高齢者と比べて、要介護状態の累積発生率は高く、その発生危険度も1.6倍と有意に高いことが報告されています。
なぜ、体重減少と要介護状態の発生率が関係するか?ですが、体重減少が低栄養やフレイルと関連しているからです。ダイエット目的ではない、意図しない体重減少が起きているのなら栄養が足りていない証拠。原因がないのに体重減少が起きることはありませんから。
体重減少って、あまり深く気に留める人は多くないんですよね。入院患者さんの体重の変化にも気に留めない医療スタッフも多くいることを知っているので・・・。
肥満体型の方の体重が減ったのならリスクは低いですが、痩せている人の体重減少は特に注意が必要です。体重が○kg減ったというより、体重減少の割合を気にして欲しいですね。
例えば、体重40㎏の人が1㎏減ったのなら、2.5%の体重減少
体重60㎏の人が1㎏減ったのなら、1.7%の体重減少
同じ1㎏でも体重減少率でみると1㎏減少の重みが変わりますよね。
私も、高齢者の栄養状態を見る時に真っ先に確認するのは「体重減少の有無」です。以前は、血液検査(アルブミン値)の値を指標にって言われている時期もあったけど、血液検査なんてみんながみんな受けれるものじゃないので。でも体重減少の有無なら、例え体重を計れなかったとしても、見た目でも判断できるので一番簡便で分かりやすいんです。ズボンのウエストが緩くなったという気づきなどがあれば、体重減少が起こっていたことが分かりますし。